Raspberry Pi Zero 2 Wでラズパイオーディオ音質レビュー

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Amazon Music Unlimited

Raspberry Pi Zero 2 Wを運よく入手出来ましたので、DACを装着してラズパイオーディオ音質レビューを書いてみたいと思います。
Raspberry Pi 4との比較レビューも少しだけあるよ。

結論:やはりI2S DACは鮮烈な出音

やはりI2S DACは鮮烈な出音であることを再確認しました。
Raspberry Pi Zero 2 Wが約¥3,000程度、DACは¥2,000前後、合計¥5,000以下ですが、I2S接続は十二分にその価値をペイできることでしょう。

スペックだけ見ればモバイルDACの方が断然上ではありますが、USB DACしか使ったことのない方にこそI2Sを使ってみてほしいです。

I2S:IC間でデジタル音声データをシリアル転送するための規格である。一般的にはI2SやI2Sと表記される。(Wikipedia

レビュー

Raspberry Pi Zero 2 Wとは

Raspberry Pi Zero 2 W

Raspberry Pi Zero 2 WはRaspberry Pi財団が2021年10月に発表していましたが、半導体不足の影響で生産数に限りがある上、需要が供給を大幅に上回り、中々入手できない状況が続いていました。

日本国内では2022年6月頃から正規代理店のスイッチサイエンスKSYが販売を開始しています。
が、こちらも争奪戦で、筆者は抽選方式で運良くゲットできました。

なお本記事執筆時点でAmazonで販売されているものは全て転売ヤーです。
筆者は上記2店以外での購入は絶対におすすめしません。
購入時はくれぐれもお気をつけ下さいね。

前モデルとの違い

前モデル、Raspberry Pi Zero Wとの大きな違いは以下の3点。

  • CPUコアがシングルからクワッドに
  • Bluetooth4.1が4.2に
  • 64bit対応

PC Watchでは「性能が5倍になった」と書かれていますが、これは理論値であり、体感的にはせいぜい2〜3倍くらいかなというところでしょうか。
Volumioの操作感も前モデルよりストレスなく行えることだけは確かです。

サイズ

Raspberry Pi 4BとRaspberry Pi Zero 2 W

Raspberry Pi Zero 2 Wのサイズは同4Bの約半分以下。
手のひらサイズどころか名刺よりも小さいサイズで、最初に前モデルのZero Wを見た時は「これ本当に動くの?」と思ったものです。

ピンヘッダーの購入とハンダ付けが必要

Raspberry Pi Zero 2 Wはピンヘッダーが別売り

Raspberry Pi Zero 2 Wをラズパイオーディオとして使うにはピンヘッダーが必要です。
ピンヘッダーは同梱されていませんので、別途購入して自身でハンダ付けする必要もあります。

筆者はAmazonで各種ピンヘッダーがセットになったものを購入しました。

音質

Raspberry Pi Zero 2 W音質レビュー

では音質レビューです。(当サイトへ初めてお越しの方は以前の記事も併せてどうぞ)

試聴環境

試聴環境は以下の通りです。

  • 音源:NASに保存したハイレゾ音源
  • MPD:Volumio 3.324
  • DAC:IQaudIO Pi-DAC+
  • プリアンプ:Fostex AP20d
  • パワードスピーカー:TANNOY GOLD 5
  • 電源:Ankerモバイルバッテリー

なお、TANNOY GOLD 5はアンプ内蔵型のパワードスピーカーですので、筆者が使用したプリアンプ(Fostex AP20d)は必須ではありません。
TANNOY GOLD 5にはトリム(ボリューム)があり、Volumioにも音量調整がありますから、直結も可能です。
※直結の際は必ず両者のボリュームを最低にしてから調整してください。

I2S DACはやっぱり活きが良い

久々に使ったI2S DACは、やはり活きが良くフレッシュ、クリアで明るく伸びやか、粒立ちもしっかりしています。
Raspberry Piの仕様上、I2S DACのスペック上限は24bit 192kHz。今となっては低いと言わざる得ませんが、この鮮烈さはそれを補って余りあると言えるでしょう。

今回はニアフィールドモニターのTANNOY GOLD 5での試聴だったこともあり、音像は実にレベルが高く、手を伸ばせば触れることが出来そうなくらいリアルに感じます。
一方、音場はニアフィールドモニターであるが故に、大ホールのライブ盤は奥行きに欠ける感じでした。
反面、ライブハウスのような小箱は音像再現力と相まって好感が持てます。
良くも悪くもニアフィールドモニターの特徴がハッキリ出た結果と言えます。

音像・音場:音場とは、音楽が聴こえてくる空間のことです。まず、ボーカルとか楽器の音が、その場所に楽器があるかのように再生される様を音像と呼びます。(ONTOMO Shop Blog

DSD128以上は無理

音質は非常に満足できるものですが、DSDのような大きなサイズの音源ファイルは処理落ちしてブツブツと途切れることが多かったです。
DSD64はごくたまに途切れてあまり気にならないレベル、DSD128は数秒おきに途切れてとても試聴に耐えないレベルでした。
これはZero 2 WだけでなくCPUが高速な4Bでも同じです。「ラズパイオーディオでDSDは無理」と考えましょう。

DSD:DSDとはDirect Stream Digital(ダイレクト・ストリーム・デジタル)の略称。音声をデジタル化する方式の1つで、音の細かいニュアンスの忠実な再現を目指して開発されました。(moraトピックス

見た目にこだわる方はZero用DAC

フルサイズI2S DACでは本体が隠れてしまう

今回の試聴はフルサイズI2S DACを用いましたが、本体が隠れてしまうほどDACの方が大きく、見た目があまりよろしくありません。

Zero用DAC

見た目にもこだわる方はZero用DACにしておくとスマートですよ。
※AmazonではRaspberry Pi用のDACも転売ヤーが跋扈しています。複数のショップを見比べながら高値で掴まされないよう注意しましょう。

クリーン電源で手軽に音質向上

音質向上を目指したい方はGaNやリニア電源にしてみたりすると面白い(沼)ですよ〜。
興味のある方は過去記事をご覧ください。
👉 Volumio用リニア電源を自作してみた(準備編)
👉 Volumio用リニア電源を自作してみた(制作編)
👉 Anker Nano II 45W他3種をVolumio用電源として使ってみた比較試聴レビュー

自作簡易クリーン電源

FX-AUDIOのPetit SusieとPetit Tankを組み合わせてクリーン電源を実現してみるのも面白いと思います。
上の写真は筆者がPetit SusieとPetit Tankに電源ライン用EMCフィルタ(TDK Lambda RSAG 2006)を組み合わせて自作した簡易クリーン電源。
電源アダプターは任意の範囲で電圧を変えられるマルチ電圧タイプを一つ持っておくと何かと便利です。

Raspberry Pi 4との音質比較

Raspberry Pi 4

DACはそのままで、Raspberry Pi 4と音質比較もしてみました。

Raspberry Pi 4の方は自重があるせいか、ほんの少しだけ低域が増した出音になっていました。
聴感上の変化としては相当に耳を澄まさなければ分からない程度です。
このためにわざわざ4Bを買うほどではないですね。

まとめ

入手困難な時期が続いていますが、ラズパイオーディオは手軽な値段でこそ価値のある存在です。
転売ヤーどもから買うのは避けて、まずは正規代理店の抽選販売にトライしてみてください。

運良く入手出来た暁には、USB DACとは一味違うI2Cを思う存分体験して欲しいです。