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先日、超音波式レコードクリーナー「HumminGuru NOVA」を購入しました。
一週間ほど使ってみた上での使用レビューを書いてみます。
※表示価格は本記事執筆時点のものです。
※追記(2024年8月27日):当初「関税はかかりませんでした。」と表記しましたが、2024年8月27日にFedExから2,700円の関税請求書が届いたため、記事を修正、追記しました。
初めての超音波式レコードクリーナーとしては必要十分
いつものように結論から。
筆者にとっては初めての超音波式レコードクリーナーでしたが必要十分です。
ただ、送料含めて約12万円の出費はかなり大きいため、試しに買うなら併売中の初代HG01や同機の中古を狙うのもアリでしょう。
HumminGuru NOVA購入〜開梱まで
初代HG01から約3年半、HumminGuru NOVAは突然に
筆者が購入した「HumminGuru NOVA」は同・HG01の機能強化版として2024年8月1日に突如発表されました。
それまで初代HG01の中古を探していた筆者には寝耳に水でも渡りに船。
しかしHG01($2,956 HKD=55,758円 ※送料含まず)との価格差は約2倍。1週間悩みましたが、どうせ値上げされるだろうし思い切って買ってみたのです。
HumminGuru NOVAの価格は約12万円
HumminGuru NOVAの価格は$5,460 HKD(香港ドル)、送料が$608 HKD、合計$6,068 HKD。筆者が購入した金額は日本円にして118,848円でした。
購入日(2024年8月7日)の為替は1香港ドル=18.563円。PayPalの換算だと1香港ドル=19.569円で、約1円上乗せされています。
※なぜかPayPalに紐づけたクレジットカード(PayPal認証済のAmazon Mastercard)決済が出来ず、仕方がなくPayPalで銀行口座決済を選択しています。
ちなみにHG01が発売された2021年の1香港ドルは約13〜14円。現在は4円以上高い状況です。
香港ドルは米国ドルほど変動は大きくありませんが、それでもチャートを見ていると更に上る可能性が高いと思われます。
当然、為替の変動によってHumminGuru NOVAの購入金額が変わってくることも考慮すべきです。
購入から6日で到着
2024年8月7日にHumminGuru NOVAを購入し、筆者宅に届いたのは同年8月12日でした。
8月9日に中国・珠海市内からFedExで発送、8月10日に広州のFedEx中継地点から日本へ発送され3時間後には大阪・泉南市の仕分施設に到着、8月11日に大阪・門真市より筆者宅へ発送、8月12日に日本郵便から受け取りました。
中国から全く滞りなく、当たり前のようにたった6日間で筆者宅まで届きました。
後日、関税請求書が届く
あ、今回は関税はかかりませんでした。
その後、2024年8月27日にFedExから2,700円の関税請求書が届きました。
これにより、支払額の総計は121,548円となりました。
外箱はわずかにへこむが商品へのダメージは皆無
海外からの航空便で気になるのが乱雑な扱いによる商品へのダメージ。
筆者が受け取った荷物の外箱にはわずかにへこみがありましたが、商品自体のダメージは皆無で問題なく使用出来ています。
商品へのダメージに繋がらないように外箱と商品の間に発泡スチロールがガッチリ入れられており、相当意図的に乱暴な扱いをしない限りは大丈夫だろうと思います。
内箱にも若干影響していましたが、この程度は国内の宅配便でもよく見かけるレベルです。
むしろ航空便なのによくこの程度で済んだなと感心しました。
付属品やサイズにも違いが
開梱して付属品類を並べてみると、「これだけでいいの?」と驚くほどです。
HG01とNOVAの付属品の大きな違いは以下の2点です。
- 巨大だった電源アダプターがシンプルになり、交換可能な4種のプラグが付属
- 別売りだった7インチと10インチアダプターが廃止され、親指ほどのサイズのWater Basinが同梱
- Water Funnel(じょうご)が付属
なお、HG01とNOVAは見た目がほとんど同じですが、サイズと重量が微妙に違います。
- HG01:L350 x W150 x H200mm / 3.1kg
- NOVA:L341 x W150 x H261mm / 3.4kg
ダストカバーが乾燥兼ジャケットスタンドに!
もう一つ、半透明のダストカバーを裏返してチューブとHumminGuruのロゴを象ったストッパーを差し込めば乾燥兼ジャケットスタンドに早変わり。
もちろん、チューブとストッパーがついたままダストカバーとして使用できます。
これはよく考えたなと思わざるを得ませんね。
HumminGuru NOVA使用レビュー
とにかくデザインがシンプル!それでいて抜群の洗浄力
Amazonにも中国製の安価な超音波式レコードクリーナーは数多くありますよね。
ただ、どれもボタンやツマミもごちゃごちゃとしていて見た目がよろしくないのが難点。
その点、HumminGuru NOVAはとにかくシンプル。なのに洗浄力は初代HG01を凌ぐパワーです。
新たに追加された10分間洗浄のHeavy Modeは圧倒的な洗浄力
NOVAの特徴は以下の通りです。
- 軽くてシンプル、レコード棚に入るコンパクトなデザイン
- 洗浄から乾燥までボタンひとつで全自動で完結すること
- サイズが異なるレコードでもアダプターが必要ないこと
- 既に完成されたHG01以上の洗浄力と新たに追加されたHeavy Mode
特にHG01にはないNOVAに新たに搭載されたHeavy Mode(10分間洗浄)を一番魅力的に感じています。というか、Heavy Mode一択で洗浄しています。
UIも迷いようがないシンプルさ
HumminGuru NOVAは見た目だけでなく、UI(ユーザーインターフェイス)も迷いようがないシンプルさです。
例えば12インチのレコードを洗浄する際はタンクに必要量の水を入れて、じょうごを使って本体上から注水し、本体左にタンクを取り付け。
本体右側のパネルに電源アダプターをさして、スライドスイッチで乾燥時間を選択、電源ボタンを押して起動。
本体正面の扇形ボタンでモードを選択、真ん中の丸い「|」ボタンで実行、これだけ。
対象サイズ変更も簡単
7インチや10インチに変更する方法は以下の通りです。
- Maintenance Toolに該当サイズのWater Basin SupportをWater Basin Filter Slotに差し込んで固定
- Maintenance ToolをRotation Wheels Adjustment Slotに差し込んで本体正面に対して反時計回りに回す
- 回転軸が該当サイズの位置に来るまでMaintenance Toolを回す
実際にクリーニングしてみる
では実際にクリーニングしてみましょう。
古着屋で購入したザ・フォーク・クルセダーズの7インチレコード「帰ってきたヨッパライ(C/W ソーラン節)」です。
とてもいい感じに汚れています。
こいつをドボンと入れて、Heavy Auto Modeで洗浄10分、乾燥6分。
仕上がりは…ほらこの通りピッカピカ!
楽しくなって10枚ほどクリーニングすると本体に溜まった水が汚れているのが分かるレベルに。
タンクを確認してみると…とっても汚れていますね!
洗浄水を溜めたまま連続洗浄も可能
HumminGuru NOVAはAuto Modeで洗浄から乾燥を自動で行うことはもちろん、洗浄水を溜めたまま連続洗浄も可能です。
メインコントロールパネルの9時あたりにある「Quick Washing mode」と、7時あたりにある「Deep Washing mode(3秒長押しでHeavy Washing mode)」を押して、中央の「|」ボタンでスタートすると、洗浄後は排水と乾燥されずに止まります。
連続してクリーニングしたい時や、洗浄水はブロア乾燥より拭き取りたい方はこちらの方が便利でしょう。
付属のThe Small Bottleを試す
HumminGuru NOVAには本来は別売りの洗浄効果を高める「The Small Bottle」も同梱されています。
The Small Bottleは内容量はたったの30mlですが、価格は$235 HKD(約4,400円)もする超高級品です。
白いキャップ部分が弾力のあるゴムのようになっていて、小さなスポイトがついています。
これを400mlの洗浄液に2〜3滴垂らしてクリーニングしてみました。
わずかに泡立ちが見られますが、洗浄後は水切れもよく、拭き取りやすい印象でした。
ただ、水切れの良さに関しては、後述するドライウェルに軍配が上がります。
動作音は55〜60dB程度で意外と静か
動作時に筐体の上で騒音計測してみました。
クリーニング時も乾燥時も動作音は55〜60dB程度しかありません。
想像していたより静かだなと思いました。
とことん気にする方は精製水
カルキやら何やらが気になる方は精製水を使ってもいいでしょう。
ちなみにFAQには蒸留水などは不要とあります。
蒸留水なども不要です。日本の場合は、一番経済的な、水道水で十分です。
水滴を残さないためにはドライウェル液がいいかも
HumminGuru NOVAは乾燥まで全自動で行ってくれます。
ただし、完全に乾燥出来ずに水滴が少しだけ残っていることがありました。
以前、レコードの静電気対策にはトラスコ静電気除去シートがオススメという記事で自作クリーナー液を紹介しましたが、そこで使ったドライウェル(水切り剤)を数滴入れてみると水滴が残ることもなくなりました。
まあ、例え数滴残っても拭き取ればいいだけの話。
面倒くさがりな方はクリーニング前にドライウェルを入れてやるのもいいでしょう。
連続洗浄は温度でレコードが曲がる可能性あり
と、ここまでひたすら好意的に書いてきましたが、欠点もあります。
それはAuto Modeではなく洗浄のみを連続した時に、筐体だけでなく洗浄液の温度も上がること。
と言っても、洗浄液が沸騰するわけではなく、35〜40度のぬるま湯程度になります。
レコードの最大の弱点は温度で、ぬるま湯程度でも10分も浸かっていれば曲がりやすくなります。
特に表面積が小さい7インチは12インチより熱を持ちやすいです。
これを避ける方法は一つだけ。
連続洗浄はほどほどにすること。
概ね5枚、多くても10枚程度で一旦洗浄液を交換し、筐体温度が冷めるのを待つのがよいと思います。
製造元についても少し調べてみる
HumminGuruは一体どんな会社が作っているのでしょうか。
気になったので少し調べてみました。
子供用玩具やOEM製品を製造する会社のサブブランド
HumminGuruは香港のHappy Well International Enterprise, Ltd.によるサブブランドで2020年にスタート。
同年12月にアメリカのクラウドファンディングサイト、Kickstarterでキャンペーンをスタートした「HumminGuru(初代:HG01)」は、資金調達を259%達成し、オーディオオタク達がTwitterでざわついていたのをよく覚えています。
※当時、筆者は名も知れぬ中国の怪しい企業が作ったこの製品に対して否定的でしたが、その後のTLやネットの情報を見聞きして考えを改めました。
Happy Well International Enterprise, Ltd.は1985年に設立され、主に子供用玩具やOEM製品を製造しています。
本社は香港ですが、珠海市に4500㎡を超える製造工場を所有しています。
HumminGuruのWebサイトには会社概要らしきものがなく、Refund Policyに記された所在地はHappy Well International Enterprise, Ltd.と同じでした。
Rm. 1202. 12/F New Mandarin Plaza Tower B,
No 14 Science Museum Road,
Tsim Sha Tsui East,
Kowloon, Hong Kong
地図上だとここになるようです。
オフィスビルの中なので営業所なのでしょう。
一方、出荷元は以下のように記されていました。
Hong Feng Electronic Plastic Co Ltd
No.3 Zhu Feng Avenue South
Qian Wu Town, Doumen,
Zhuhai, Cn, 519170
上記所在地を検索してもヒットしませんでしたが、色々調べてみると「鴻豊電子塑料玩具有限公司」が出荷元、つまりここがHumminGuruの製造工場らしいですね。
なお、Googleマップでは荒地のようにしか見えませんが、百度地図だとしっかり建物が見えます。
いかにも中国製という悪いイメージはない
子供用玩具を作っているせいか、中国製にありがちな体に悪そうな変な匂いや製品のバリ、不良箇所等は全く見られませんでした。
こうした背景を知っていると中国製でも安心して購入できるというものです。
まとめ
バランスウォッシャーを垂らしてビスコで拭いて、乾かしてを繰り返していた面倒から一気に開放されるのがHumminGuru NOVA。
「今までの苦労は一体何だったんだろう」というくらいお手軽にレコードクリーニングが出来るアイテムでした。
併売中のHG01とは価格差が約2倍ですが、その分、機能強化されたNOVAには死角らしい死角はありません。
これは今年のベストバイNo.1候補になりそうな予感です。
Amazonでも取り扱いが開始
その後、HumminGuru NOVAはAmazonでも取り扱いが開始されました。
価格は筆者が購入した値段よりも安い119,000円(笑)
輸送時の心配も関税もかからないので、購入するならこちらの方が良さそうです。