レコードの静電気対策にはトラスコ静電気除去シートがオススメ

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さてレコードでも聴こうかな…内ジャケから取り出してバチッ!ターンテーブルに載せて針を下ろす瞬間にまたまたバチッ!B面にしようとターンテーブルからレコードを持ち上げる際にもバチッ!という経験ありませんか?この原因は皆さんご存知の静電気。
今回は筆者が辿り着いた激安アイテムでの静電気対策と、そこに至るまでに使用したグッズについて書いてみます。

結論:トラスコ静電気除去シート

トラスコ静電気除去シート

まずは結論から。
色々な静電気除去グッズを試した結果、トラスコ静電気除去シートS(SD2525)をターンテーブルに敷くのが最も効果的でした。
価格はたったの673円(2020年4月26日現在)。
シートの中心にスピンドル用の穴を開け、ターンテーブルからはみ出した部分をハサミやカッターで切り落として使用します。

トラスコ静電気除去シート

シートを敷くことでほんの少し高さが増しますが1mmもないのでアームのセッティングには問題ないでしょう。

シートを敷いてクリーニングブラシを使うと、敷かないときよりもホコリがよく取れる副次的効果もあります。
これはシートで静電気が抑えられホコリが盤面にへばりつく強度が下がるからです。

ターンテーブルマットがゴムの場合、レコードを持ち上げる時に盛大に静電気が起きたりしますが、このシートを敷くと皆無になりました。

トラスコ静電気除去シート

さりげない「プロ仕様」の文字、いかにも無骨で無愛想なパッケージもグッときます😁
これでほぼ静電気は抑えることが出来ます。「ほぼ」と書いた理由は、次項で述べるレコードの静電気の原因を知ると納得出来ます。

TRUSCO(トラスコ) 静電気除去シートS
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レコードの静電気の原因

剥離帯電と摩擦帯電

(画像はアナログリラックスから引用)

そもそもレコードの静電気の原因は何なのでしょうか?
これについてはアナログリラックスThe Last Factoryに詳しく書かれています。

The principal cause of static electric charge on the surface of a record is the friction between the playback stylus and the vinyl groove wall that occurs when a record is played. Another significant source is the process of removing a vinyl record from its plastic inner sleeve.

「レコードの表面に静電気が発生する主な原因は、レコードの再生時に発生する再生用スタイラスとヴァイナルの溝壁との摩擦である。また、ビニール製のレコードをビニール製のインナースリーブから取り出す作業も重要な原因の一つである。」

まとめると以下の2点です。

  • レコードを内ジャケから取り出す時の摩擦(剥離帯電)
  • レコード再生時のレコード針とレコードの摩擦(摩擦帯電)

つまりレコード再生時と収納時に静電気が発生するので、いくら再生前に除電してもその効果は一時的という結論に至ります。
だったら再生時も常に除電出来る(かつ安価な)ものが望ましいと考えた結果、上で紹介した静電気除去シートに辿り着いたわけです。

今まで試してみたグッズ

レコードの除電方法は大きく分けて3通りあります。

  • ブラシやクロス(布)などの乾式
  • クリーニング液を使う湿式
  • 消磁・除電専門機器(ガンタイプや据え置きタイプ)

ここでは筆者が今まで試してみた乾式と湿式グッズをざっとあげてみます。

アナログリラックス除電ブラシ

アナログリラックス除電ブラシ

アナログリラックス除電ブラシはレコードを聴く前に盤面に立てて静電気を除去するものです。

確かにこれで静電気はかなり減りますが、毎回この儀式は面倒くさがりの筆者にはキツいです😓
毎回の儀式が苦にならない方にはオススメです。
ただし価格は6,380円とブラシにしては高額の部類です。

アナログリラックス除電ブラシ Analogrelax
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ナガオカ レコードクリーニングスプレー

クリアトーン558

(画像はナガオカから引用)

最も手頃でロングセラーなナガオカのレコードクリーニングスプレー、クリアトーン558
昔、初めてターンテーブルを入手した際にこれとレコードクリーナー、アルジャントを購入しました。

アルジャント

クリーニングスプレーはレコード盤面に吹き付けた後、アルジャントで拭き取って使います。
独特の臭いがするスプレーの除電効果はごく一時的、そしてスプレー後にきちんと拭き取らないと長期間(数年)経過後、スプレー跡が盤面にくっきり現れる場合もあります。
このスプレー跡がノイズ発生源になってしまうという笑うに笑えないことも😓
ちなみにスプレーは1,100円前後で販売されています。

レイカ バランスウォッシャー

レイカ バランスウォッシャー

こちらもロングセラーの湿式タイプ。
A・B液の2種類を使ってビスコという専用クリーニングクロスで拭き取り、クリーニングと除電が出来ます。
これでノイズが低減した盤は数え切れません。本当にお世話になりました。
が、静電気においてはやはり一時的でした。

バランスウォッシャーは入門用としてエクササイズセットが2,000円前後で販売されています。
クリーニング重視の場合、レイカはかなりオススメ出来ます。
最初は面白いほど汚れが取れますが、数枚続けるとしんどくなります😁

ディスクユニオン レコクリン

レコクリン

(画像はディスクユニオンから引用)

ディスクユニオン公式クリーナー レコクリンはレイカ バランスウォッシャーと同じく湿式タイプ。こちらは1液で完結出来ます。

友人が所持していたので借りて数枚試してみました。
クリーニング効果はレイカの方が上、除電効果はレイカ同様に一時的でした。

自作クリーナー液

自作クリーナー液

クリーナー液も自作できます。作り方はGIRASOLE RECORD BLOG他、検索するといくつもヒットします。
材料は精製水、無水アルコール、ドライウェルの3つ。
500mlの場合、精製水375ml、無水アルコール125ml、ドライウェル0.5mlです。(500.5mlになっちゃいますが😓)
レイカには及ばないもののクリーナー液としての効果はかなり良いですが、除電効果はほとんどありませんでした。
バランスウォッシャーやレコクリンを購入するよりは断然安いので、多少面倒でもクリーニングを安価で済ませたい方には自作クリーナー液はオススメです。

筆者は汚れの酷いレコードを自作クリーナー液+レイカのビスコを使っています。
クリーニング液は100均で買った小さなスプレーボトルに入れて、霧吹きの要領でレコードに吹き付けてクリーニングしています。液体のままより、霧状にすることでムラがなくなります。

ハイファイ堂レコード洗浄サービス(終了)

ハイファイ堂レコード洗浄サービス

サービス終了してしまいましたが、1枚/¥300から超音波洗浄機でレコードの溝の奥までクリーニングしてくれるものでした。
友人から薦められて1回利用しました。
結果、見た目はキレイになりますが、価格の割にノイズ低減や除電効果はイマイチと思いました。
「チマチマとクリーニングなんて面倒くさい!」という方にはうってつけのサービスでした。

まとめ

グッズはいずれも除電効果が一時的で、ブラシ系は毎回行う必要があるなど面倒なことが多いです。
その点、トラスコの静電気除去シートは敷くだけでお手軽さと除電効果は抜群。
面倒くさがりな筆者にはピッタリでした。

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おまけ

静電気が発生しやすい条件とその原因

静電気が発生しやすい条件についてはミスミに詳しい解説がありました。

静電気の発生は、相対湿度が下がると大きくなり、特に40%以下で急に発生しやすくなります。

湿度が低いと静電気が起きやすい原因についてはキーエンスに詳しい解説があります。

空気中に水分が多くなると、空気中の水分を伝って自然に静電気が逃げていきます。したがって、湿度管理は静電気がたまりにくい環境を作るための有効な対策となります。

そもそも「湿度」とは

静電気は湿度に関係することはよく分かりました。ではそもそも「湿度」とは何かと問われると一瞬考えてしまいますが、ダイキンにズバリその答えがありました。

湿度

(画像はダイキンから引用)

「湿度(しつど)」とは空気の中の水分のわりあいのこと(ダイキン

年間平均湿度は70%

ついでに平均湿度について調べてみました。

平均湿度

気象庁によると東京の2019年の年間平均湿度は70%。昨年は長雨が続いたせいなのか意外と高いんですね。

画像名

グラフにするとこんな感じ。
月別データを見てみると1月の平均湿度は51%ですが、同月最小値は20%、5月の最小値は15%となっています。上下が激しいわけですね。
また年間平均の最低は1月の51%、最高月は8月の89%で、その差は38%。
数字だけ見ると除湿機も欲しくなっちゃいますね。。。いや除湿したら静電気が起こ(ry😂

帯電体質はあるのか?

静電気を帯びやすい体質があるのかも気になるところですが、そういう体質はないそうです。

『帯電体質』と呼ぶほどの個人差はありません。静電気帯電においては、身につけた靴や衣服の帯電のしやすさが大部分を占めています。例えば、ポリエステル製シャツとウール製セーターの組み合わせは、大きく帯電しやすいです。(at home VOX

衣服の素材が原因で前述の「摩擦帯電」によるものが大きく、静電気を起こしやすいというわけですね。

(追記)その静電気、スリッパが原因かも?

(2021年1月2日追記)
筆者宅はフローリングで年中スリッパを履いています。
随分前にスリッパをビルケンシュトックのアリゾナ(EVA製)にしてみたら梅雨時だと言うのに静電気が発生しました。原因がビルケンシュトックにあることに気づいたのは数日後でした。

EVAとはEthylene-vinyl acetate(エチレン酢酸ビニル)のことで、「多くの電子応用において、ゴムやビニルポリマーの代わりに用いられるWikipedia)」ものです。つまり絶縁体であるため、静電気の逃げ場がなくなり体に溜まったままになります。
湿気の多い梅雨時なのに静電気が発生したのはスリッパが原因であると分かりました。

静電気防止スリッパを自作する

つい先日、裏底がゴムのような素材の冬用スリッパに買い替えたところで、やはり静電気が盛大に起きたため、先の件を思い出して今度は対策を実行してみました。
静電気とアーシングのメモ帳を参考にスリッパを加工します。

スリッパを加工
  1. 裏底に貫通する穴をキリで開ける
  2. 開けた穴に針金を通す
  3. 上(足)側に出た針金にケーブルの端材から取り出した導線をくくりつけ、ガムテープで固定する
    ※筆者のスリッパはインソール付きのため上(足)側はラフに仕上げています。インソールなしのスリッパの場合はもう少し工夫が必要と思います。
  4. 下(裏底)側に出た針金は適当に曲げておく

以上で静電気防止スリッパの完成です。

その後、セーターや化学繊維の上着を着ていても静電気が発生しなくなりました。 何をやっても静電気が収まらない方は文字通り足元の対策をしてみることをオススメします。

(追々記)その静電気、コーディネートが原因かも?

(2021年1月10日追々記)
「静電気防止スリッパでも収まらない!」という方はライオンの静電気が発生しやすいコーディネートって?に目を通してみることをオススメします。

静電気は重ね着する衣類の組み合わせによって発生する場合もあり、発生のしやすさは素材と関係しています。静電気が発生しやすい組み合わせと、発生しにくい組み合わせをおさえておくと、静電気が気になる時期も快適にオシャレを楽しめます。

衣類の素材の帯電列

(画像はライオンから引用)
特に冬場は化繊系衣類の出番が多いですから、これを知っておくだけでも随分変わりますよ。