Raspberry Piでハイレゾ再生環境をつくってみた(その1・Volumio下準備編)

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イギリスのRaspberry Pi Foundation(ラズベリーパイ財団)によって開発されているシングルボードコンピュータ「Raspberry Pi(ラズベリー・パイ。ラズパイとも呼ばれる)」。たった85×56mmの、この小さなシングルボードコンピュータでハイレゾ音源が再生できるんです。

追記(2020年7月19日):
本記事の動画編を公開しました。そちらも是非ご覧ください。

ハイレゾとは

ハイレゾとはHigh Resolutionの略で「高解像度」を意味します。具体的にはCD以上の「高解像度」音源を指します。

(画像は日本オーディオ協会より引用)
日本オーディオ協会が定めたハイレゾの定義は24bit/96kHz以上のもので、ハイレゾ対応機器とは24bit/96kHzのFLACやWAVに対応していること、40kHz以上の再生が可能なことなどが条件です。
一般的なCDは16bit/44.1kHzなので、ハイレゾは随分スペックが高いことが分かります。

量子化ビット数とは、アナログ信号からデジタル信号への変換(A/D変換)の際に、信号を何段階の数値で表現するかを示す値。この値が大きいほど元の信号に忠実なデータが得られるが、データ量はその分増大する。(IT用語辞典 e-Words
サンプリング周波数とは、アナログ信号をデジタルデータに変換する際に、信号の変位を測定するサンプリング(標本化)を行う頻度。1秒間に何回サンプリングを行うかをHz(ヘルツ)で表す。(IT用語辞典 e-Words

必要なもの

ハイレゾを手のひらサイズのRaspberry Piで再生するために必要なものは以下の通りです。

  • パソコン(本記事ではMacを使用。microSDカードの初期化、Volumioの書き込みに必要)
  • Raspberry Pi本体(本記事では3 Model B+を使用)
  • Raspberry Pi用DAC(本記事ではIQaudiO Pi-DigiAMP+を使用。24bit/192kHzまで対応、アンプ内蔵型で直接スピーカーに出力可能)
  • Raspberry Pi用電源アダプター(本記事で使用するものは19V/3.4A出力ですが、通常は5V/3AでOK)
  • microSDカード(16GB以上)
  • Volumio(Raspberry Pi用MPD)
  • 音源ファイル(本記事ではSynology NASに保存した音源を使用)
MPDとは、Music Player Daemonの略。UNIXなどのシステムに常駐するプログラムのこと。デーモンプログラムとも呼ばれる。アプリケーションやシステムの要求に応じて、ネットワークの接続/切断、印刷、メールの送受信などを自動的に実行する。デーモンは、バックグラウンドで動作するので、ユーザーは普段、その動きを意識することはない。(ASCII.jpデジタル用語辞典

手順

Volumioをダウンロードする

Raspberry PiはそのままではOSのないパソコンです。動かすにはmicroSDカードにOSをインストールする必要があります。(イメージとしてはmicroSDカードがハードディスクにあたるわけです)
Raspberry Pi用OSは多くの種類がありますが、今回は音楽再生に特化したVolumioを使用します。
Volumio まずはVolumio本体をダウンロードします。
Raspberry Piにインストールする場合はリンク先にある「Volumio Audiophile Music Player for Raspberry Pi」でOKです。
ZIP圧縮されていますが、解凍せずそのままにしておきます。

microSDカードを初期化する

SDメモリカードフォーマッター
手持ちのmicroSDカードを使う場合は必ず初期化する必要があります。
新品のmicroSDカードを使う方は初期化は必要ありませんので次項へ)
初期化にはSDメモリカードフォーマッターを使います。
ダウンロード後、パソコンにインストールしてmicroSDカードを接続、初期化します。
初期化が終わったらSDメモリカードフォーマッターを終了しておきます。

VolumioをmicroSDカードに書き込む

balenaEtcher
VolumioをmicroSDカードに書き込むにはbalenaEtcherを使います。

balenaEtcher
アプリをダウンロードしてインストール後、balenaEtcherを立ち上げます。

microSDカードをパソコンに接続するとbalenaEtcherにターゲットディスクとして認識されます。

balenaEtcher
balenaEtcherの「Select Image」を押して先ほどダウンロードしたVolumioのZIPファイルを選択します。

balenaEtcher
するとbalenaEtcherの「Flash!」ボタンが有効になるので、これを押します。

balenaEtcher
microSDカードへVolumioの書き込みが始まります。
(ファイルサイズが3GB弱ありますのでしばらく時間がかかります)

balenaEtcher
正常に終了すると「Flash Complete!」と表示されます。
これでVolumioの書き込みは完了です。
balenaEtcherを終了し、microSDカードをパソコンから取り出しておきます。

Raspberry PiにDACを装着する


Raspberry Piに先ほどのmicroSDカードを挿入します。


ショートやグラつきを抑えるためRaspberry PiとDACの間にナットを入れます。


DACをRaspberry PiのGPIOに挿し込みます。
(本記事で使用したDACは基板上にアダプター端子があり、ここからRaspberry PiとDACの電源を供給します。通常のアンプ非搭載DACはRaspberry Pi本体のmicroUSB端子を使うことが多いです)

これで下準備は完了です。
Raspberry Piでハイレゾ再生環境をつくってみた(その2・Volumioインストール編)へ続きます。

GPIOは、集積回路やコンピュータボード上の一般的なピンであり、その動作(入力ピンであるか出力ピンであるかを含む)は、実行時にユーザによって制御可能である。GPIOは"General-purpose input/output"の略で、「汎用入出力」を意味する。(Wikipedia