本ページはアフィリエイトによる収益を得ています
Raspberry Piでハイレゾ音源再生環境を整えるため、Volumioのインストールから再生までの手順を解説します。(本記事は下準備編の続きです)
追記(2020年7月27日):
本記事の動画編を公開しました。そちらも是非ご覧ください。
Volumioインストールの仕上げ
電源を投入
Raspberry PiにDACを装着し、電源を投入します。(本記事で使用したDACの場合はアダプターを挿し込むだけです)
インジケーターランプが激しく点滅し始めますが、Volumioのインストールの仕上げを行っていますので電源を切らないようにしましょう。
2〜3分程度でインジケーターランプの点滅が収まります。
「え、これじゃ何やってるか見えないじゃん?」
心配はいりません。無線LANに対応しているRaspberry Piの場合は最後までモニター不要です。
その理由はブラウザがモニター代わりになるからです。
外部モニターは不要
インストールが完了すると自動的にVolumioのホットスポットが有効になり、Wi-FiのSSID一覧に「Volumio」が表示されます。
このSSID「Volumio」に接続します。パスワードは「volumio2」です。
SSID「Volumio」に接続できたらパソコンのブラウザで
http://volumio.local/
にアクセスします。
Volumioの設定
ブラウザからVolumioを初期設定
あと一息。いよいよVolumioの設定です。
前項で述べた通り、Volumioはパソコンのブラウザから設定が出来ます。
http://volumio.local/
言語設定。
デバイス名の設定。
ここは英数半角のみでアクセス用のURLも兼ねます。
デフォルトは「Volumio」なので、URLは
http://volumio.local/
になります。
(「hogehoge」に変更するとhttp://hogehoge.local/になります)
I2S DACの設定。通常は既に適当なものが選ばれています。
オプションの設定。
ここはそのままで問題ありません。
ネットワークの設定。
ご自分のWi-Fi SSIDを選択し、パスワードを入力して「保存」ボタンを押します。
ネットワークドライブの設定。
筆者はSynology NASにハイレゾ音源ファイルを保存しているので、VolumioをNASに接続設定します。
「新規のドライブを追加」ボタンを押してVolumioにNASを認識させます。 NASの情報入力に必要なのは以下の5項目です。
- エイリアス
- NAS IPアドレス
- パス
- ファイル共有の種類(筆者の場合は「nfs」。これ以降は「拡張オプションの表示」ボタンを押して表示されます)
- ユーザー名
- パスワード
入力を終えたら「保存」ボタンを押します。
全ての設定が完了すると「Congratulations」の文字とともに寄付のお願いをされます。
ついにユーザーインターフェイスが表示されました!
しばらくすると自動的に再起動し、先ほど設定したSSIDを使用してVolumioがWi-Fiに繋がります。
ホットスポットを無効にする
ホットスポットをそのままにしておくのはセキュリティ上、好ましくないのでOFFにします。
これでRaspberry Piのホットスポット機能がOFFになるので、パソコンを普段使用しているSSIDに接続し、パソコンのブラウザから
http://volumio.local/
へ再度アクセスします。
Volumioで音楽を再生する
楽曲の再生はVolumio画面の左下「一覧表示」→「音楽ライブラリ」→任意のフォルダまで移動します。ネットワークドライブの設定が正常に出来ていれば移動先ページで楽曲がずらりと並んでいるはずです。(筆者の場合、アルバム単位でフォルダ分けしているのでアルバム一覧になっている)
アルバムの再生は各アルバムの右側にある「」マークをクリック→「再生」で、そのアルバムの再生が始まります。
超ミニマムなハイレゾ再生システムが完成
本記事ではアンプ内蔵型DAC「Pi-DigiAMP+」を使用したため直接スピーカーを駆動することが出来ます。ご覧の通り、Raspberry PiとPi-DigiAMP+、スピーカーだけでハイレゾ音源再生環境が完成しました。
基板むき出しでワンボードコンピュータならではの見た目になっていますが、見えない場所に隠してしまえば問題ないでしょう。DACのリリース元が専用ケースを売っている場合が多いので、見た目にこだわる方はそちらも揃えるのがいいでしょうね。
ラズパイオーディオにデジタル臭さは皆無
CDは「デジタル臭い」という意見を時々見かけますが、VolumioとDACで再生するハイレゾ音源の音質は全くそのようなことはなく、限りなくスムーズでナチュラル。本当にクセのない音なのでアンプやスピーカーの素性がモロに出ると思って間違いないです。
なお現在、筆者は
- IQaudiO Pi-DAC+(TI PCM5122)
- IQaudiO Pi-DigiAMP+(TAS5756M)
※筆者が所持するのは旧モデルで現行品とは仕様が若干異なります。 - IQaudiO Pi-DACZero(TI PCM5121)
の3つを使用していますが、音質はどれも同傾向です。
無線LAN接続しかできないRaspberry Pi Zero WではDSDなどファイルサイズが大きい場合は時々途切れたりします。また、ハードウェアの仕様上、Raspberry Piで再生可能なハイレゾ音源には上限(384kHz/32bit)がありますので、更にハイスペックでファイルサイズも巨大なDSDをメインに聴く方は有線LANかUSB-DACの方が良いかも知れません。
ただ、ラズパイオーディオはI2S DACを使ってこそ意味があると言えますから、USB-DACにするならVolumioではなくパソコンでAudirvanaなどを使った方がよいでしょう。
気になるお値段
今回かかった費用は以下の通りです。
品名 | 価格 |
---|---|
Raspberry Pi 3 Model B+ | ¥5,780 |
Pi-DigiAMP+ | 約¥5,300 (£37.5・送料抜) |
microSDカード 16GB | ¥930 |
ACアダプター 19V/3.24A/65W | ¥2,080 |
合計 ¥14,090
手持ちのアンプを使う場合は内蔵アンプなしのPi-DAC+でOKですので、上記よりも¥1,500ほど安くなると思います。(DACのメーカーにこだわらなければもっと安く済みます)いずれにしてもアンダー1.5万円でこれだけのシステムが手に入るのはかなり魅力的です。
仕事用のパソコンでハイレゾ再生は意外と負荷がかかりますが、ワンボードコンピュータのRaspberry Piに任せてしまえば本来の仕事や作業が滞ることもありません。
特に自作erにはオススメですよ。自作アンプや自作スピーカーとは違った楽しみがあります。
売り上げランキング: 4,469
おまけ:VolumioはAirPlayが使える!
VolumioはAirPlayレシーバーとしても使えます。
つまり手持ちのiPhone、iPad、Mac製品から音源をVolumioへストリーミング再生することが可能です。
例えばiPhoneやiPadでradikoを使い、Volumio経由で既存のオーディオシステムから再生するといったことが実現出来ます。(もちろんiTunesの曲も再生可能です)
やり方は簡単。
Volumioが起動している状態で、コントロールセンターのオーディオのカード右上にあるアイコンをタップ、「スピーカーとテレビ」に表示されているVolumioをタップするだけ。
Macの場合は
アップルメニュー → システム環境設定 → サウンド → 出力
からVolumioを選択するだけです。
プアな内蔵スピーカーを使うことなく、いつものオーディオシステムで再生出来るのはちょっと嬉しいオマケですね。
ただしAirPlayはサンプリングレートとビット深度の上限が44.1kHz/16bitとなっていて、ハイレゾ非対応ですのでご注意を。