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以前公開した記事「レコードジャケットの底抜け、背割れを直してみる」は地味なヒットで今もジワジワとアクセスが伸びています。
今回はレコードジャケットのテープ痕を治す方法について書いてみようと思います。
ご注意
この補修方法は白や淡い色のジャケットの場合に特に有効ですが、黒や濃い色のジャケットの場合は色が落ちてしまう可能性があります。
また、まだ粘着力が残っているセロハンテープを剥がす際にはジャケットまで破れてしまう可能性もあります。
補修の際はあまり力を入れすぎないよう細心の注意を払って行ってください。
憎きセロハンテープ
レコードジャケットにセロハンテープはご法度
中古レコードを漁っているとコンディションの悪いものをたまに目にします。
それらはほとんどが安価で放出されていて、見向きもしない・されないわけですが、ごく稀にレア盤だったり欲しい盤だったりします。
中にはセロハンテープで補修されたレコードジャケットもあり、そういったものは特に安いことが多いです。
ところが、セロハンテープは経年劣化すると柔軟性を失ってパリパリになり、貼られた部分のベタつきが残る上、変色してしまいます。
この粘着痕が収納時にカバーとくっついたり、あるいは他のジャケットとくっついたりと、実に厄介です。
セロハンテープは木材パルプと天然樹脂による粘着剤
この憎きセロハンテープは何で出来ているのかを調べてみると以下のようなものでした。
セロハンテープ (cellophane tape) は、基材(支持体)となるセロファンの片面に接着剤を塗り、帯状にしたもの。(Wikipedia)
セロファンまたはセロハン (cellophane) はビスコースを原料とする透明な膜状の物質。(Wikipedia)
セロハンフィルムの原料は木材パルプ、粘着剤は天然ゴムと松脂などの天然樹脂が主成分で、巻心は再生紙です。(ニチバン)
これでピンときた方はかなり鋭いです。
セロハンテープ痕の掃除は粘着剤である経年劣化したゴムを除去することと同意義です。
これを効率よく除去できる、あるものを使用します。
テープ痕の補修に必要なもの
今回の補修で必要なものは
- 無水エタノール
- 綿棒
- 根気
これだけです。
経年劣化したゴムのベタつきは無水エタノールで掃除するとキレイになります。
これを応用するわけです。
ただし、コーティングジャケットの場合はコーティング自体も溶かしてしまう恐れがあるため、注意が必要です。
素材によっては周囲のコーティングが剥がれることもあるので、あくまでもやさしくさっと拭く程度がおすすめ。ポリエチレン(PE)や、ポリプロピレン(PP)や塩化ビニールなどは問題ありませんが、それ以外のプラスチック製品は溶かしてしまうことがありますので、心配な場合には目立たない場所に少量つけて試してから掃除するといいでしょう。(健栄製薬)
ちなみに業務用綿棒はジャケットの掃除には硬すぎて傷をつけてしまうため普通の綿棒がオススメです。
テープ痕の治し方
セロハンテープを剥がす
今回はMiles Davis “Miles Davis Volume1"のジャケット右上に貼られたセロハンテープを剥がしてキレイにしたいと思います。
近くで見るとセロハンテープが劣化して黄変しているのが分かります。
セロハンテープに粘着力が残っているとジャケットまで破れてしまう可能性があるため、少しずつ少しずつ剥がして行きます。
剥がしにくい場合はテープとジャケットの隙間にアートナイフを挿し込んで行くのも良いかもしれません。
ただし、無理は禁物です。
無水エタノールを塗る
無水エタノールを綿棒が軽く湿る程度に染み込ませ、剥がしたテープ痕に優しく塗ります。(無水エタノールはすぐに乾いてしまうため、都度、綿棒に染み込ませます)
その際、往復させずに一方向へだけ塗り、状態をこまめに確認しましょう。こうすることでジャケットへのダメージを最小限にすることができます。
焦らず待つ
無水エタノール塗るとジャケットに染みができますが、焦らず待ちましょう。
無水エタノールは揮発性が高いため、染みはすぐに消えていきます。
テープ跡が消えた!
根気よく綿棒で無水エタノールをテープ痕に塗り、乾くのを待つとキレイに消えました!
黒や濃い色のジャケットはやめておこう
同じジャケットの右下にもテープが貼ってありましたので、これも試してみました。
結果はご覧の通り、部分的に少し色が落ち、なおかつ拭いた痕が残ってしまいました。
やはり、今回の方法は黒や濃い色のジャケットはオススメできないことがお分かりいただけると思います。
ただ、今回の方法は特殊な薬剤や道具も必要なくかなりお手軽です。
淡い色や白のジャケットに貼られたテープ痕でお悩みの方は試してみてはいかがでしょうか。