Stephens Trusonic 80FRをサンスイ SP-50のエンクロージャーに入れてみた

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Stephens Trusonic 206 AXを購入したことは前回の記事で書きました。
時が前後しますが、206 AX購入前にStephensの傾向を知っておきたかったため、同社の8インチフルレンジ「80FR」を入手して試してみることにしました。

Stephens Trusonic 80FR

Stephens Trusonic 80FR Stephens Trusonic 80FR

「80FR」は8inch Full Rangeの略で、直径は約203.2mm。
Stephensはフルレンジユニットもかなり評判がよく、一度試してみたいと思っていたところで運良く入手することが出来ました。(Stephens社については前回の記事で詳しく調べているので、同社に興味のある方はそちらもどうぞ。)
ロゴは「S/♪」なので、1950年代後半〜60年代のものと思われます。

Stephens Trusonic 80FRの仕様
項目 詳細
型式 8インチコーン型フルレンジユニット
インピーダンス 16Ω
音圧レベル 100db
周波数特性 40〜15kHz
重量 2kg

Stephens Trusonic 80FR用のエンクロージャーを探して

エンクロージャーが高い!

入手したのはユニットのみなので、エンクロージャーが必要です。
しかし、このエンクロージャーが曲者でした。

最初は完全自作しようと、ユニットのスペックからエンクロージャーのサイズと板厚を算出し、いざ見積りするとペア5万以上、塗装すると更にプラス… で「ちょっと高いなあ」と尻込みしていました。

そんな時、ふとサンスイの銘機SP-LE8Tが目に付きました。
「お、こいつも8インチフルレンジか…。」
ん、てことはユニットだけ換装できるんじゃ?と思いついてサイズを調べてみると行けそうな感じ。が、LE8Tというだけで高い。。。いや多分、弟分的な機種があるはずだと、もう少し探してSP-50を見つけました。

エンクロージャー (enclosure) は「囲い込むもの」という意味で、機械類を格納する筐体のことである。しかし単にエンクロージャーという場合はスピーカー用の、それも全帯域用または低音域用のものを指す場合が多い。(Wikipedia

サンスイSP-50

サンスイ SP-50

同じサイズで弟分的なSP-50なら行ける!
というわけで、サンスイSP-50をオークションであっさり落札。値段はSP-LE8Tの1/4以下でした😁

サンスイ SP-50

オリジナルの外観はいかにも古いスピーカーで、銀色のアルミセンターキャップすら、いぶし銀に感じてしまうほど地味というか渋い印象です。

サンスイ SP-50

SP-50は2ウェイ2スピーカー、80FRはフルレンジなので、SP-50のツイーターは不要です。
問答無用でツイーターを切ってしまう前にオリジナルを聞いておくことにしました。
「なんだこれ…いい。」

余談ですが、SP-50のツイーターはコンデンサを換装すると良い結果が出ると主張するブログがあります。これは単純に(SP-50は製造後約50年が経過しているので)コンデンサの容量抜けだと思いますが、80FRに飽きたらいずれ試してみたいと思います。

サンスイ SP-50

SP-50はコストを抑えた商品だったせいか、経年劣化の上、背面材がボロボロに朽ちていることが珍しくありません。 フロントバッフルも荒目の木材で、格子状のグリルをつけないと見た目がよろしくないです。
そんな見た目からは想像がつかないほど、オリジナルのSP-50はキレイな音が出ていました。これはこれでいいですね💦
サンスイ SP-50の仕様は以下の通りです。

サンスイ SP-50の仕様
項目 詳細
方式 2ウェイ・2スピーカー
バスレフ方式
ブックシェルフ型
ユニット 低域用:20cmコーン型
高域用:ホーン型
周波数特性 40Hz~20kHz
最大入力 25W
インピーダンス
出力音圧レベル 90dB/W(新JIS)
クロスオーバー周波数 7kHz(12dB/oct)
外形寸法 幅325x高さ502x奥行248mm
重量 9kg

Stephens Trusonic 80FR + サンスイ SP-50

そんなこんなでツイーターとウーハーの配線をハンダごてで取り除き、ウーハーユニットのみを入れ替えたのがこちら👇

サンスイ SP-50

開口部もビス位置・径も問題なし。ほぼピッタリでした。
くすんだ茶色のエンクロージャーに赤いエッジと金色のセンターキャップが想像以上にマッチしています。このまま売り物になりそうです😁
※ツイーターは配線のみを切断して同ユニットはそのままマウントしています。(アンマウント後に穴を塞ぐのが面倒なので)

サンスイ SP-50

というわけでStephens Trusonic 80FRは無事にサンスイ SP-50へインストールしてニコイチスピーカーの完成、そしていざ試聴。
肝心の音は…このサイズ、そしてフルレンジとは思えない再生域の広さと音場感の良さが際立ちます。
206 AXもそうでしたが、Stephensは中高域が特にいいですね。
欲を言えばエンクロージャーが一周り大きいと更に良いかも知れません。ついでに奥行きがもう少しあって背面開放だと爽やかな抜け感が増すと思います。(そこまでやるならエンクロージャーは自作したほうが早いとは思いますが)

Stephens Trusonic 80FRは音圧レベルが100dbもあるので、小出力の真空管プリアンプ+真空管パワーアンプでも全く問題なくドライブ可能です。筆者の環境では特にシングル300Bとの相性が良かったです。見た目は小ぶりなSunvalley SV-9T SE(6GW8/14GW8プッシュプル)は、かなり熱い演奏が聴けました。

現在は以下の構成で寝室用として、就寝前にリラックスしながら小音量で聴いています。

  • スピーカー:Trusonic 80FR(エンクロージャー:サンスイ SP-50)
  • プリアンプ:Sunvalley SV-Pre1616D
  • パワーアンプ:Sunvalley SV-9T SE
  • プレーヤー:Raspberry Pi 3B+ IQaudiO Pi-DAC Zero

Stephens Trusonic 80FR、とても良い買い物でした。