2020年おすすめのオーディオムック本

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筆者は他人のシステムを疑似体験出来るオーディオ部屋が掲載されたムック本をよく購入しています。
今回はここ2〜3年で購入したおすすめのムック本をご紹介します。
※表紙は撮影・掲載しますが、誌面はあえて掲載しません。

ムック本:ムック(mook)は、雑誌と書籍をあわせた性格を持つ刊行物のことである。magazineのm-とbookの-ookの混成語。(Wikipedia

ヴィニジャン レコード・オーディオの私的な壷

ヴィニジャン レコード・オーディオの私的な壷

https://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail_sp.php?code=963090

  • 著者:田中伊佐資
  • 編者:stereo
  • 定価:2,530円
  • 判型・頁数:B5・204頁
  • 発行年月:2020年5月

「ヴィニジャン」=ヴィニール・ジャンキー(レコード狂)のタイトルだけで怯んでしまいそうな同書は前・後編に分けられた「歴代デノンDL-103王者決定戦」が必読。
DL-103の初期モデルからSL、GOLD、C1、LC II、SA、LC、S、GL、R、FL、M、Dの全15種類を聞き比べるという変態的企画。
このためだけに同書を購入しても良いくらいの濃さ。
文字がやや大きめなので老眼にも優しく、ページ数の割に軽くて読みやすいです。

リスニングルーム探訪

リスニングルーム探訪

https://www.seibundo-shinkosha.net/book/hobby/20947/

  • 編者:MJ無線と実験編集部
  • 定価:3,520円
  • 判型・頁数:B5・256頁
  • 発売年月:2019年5月

今回紹介する本の中で唯一の横書き、左開き。
個人、企業を問わず、オーディオのリスニングルームに焦点を当てた一冊。
数本のコラムもリスニングルームを作る上でのアイデアとして非常に参考になります。(巻末の「石井式リスニングルームの基本」は自宅建築前に読みたかった。。。)
アナログリラックス除電ブラシの販売元ズートコミュニケーション・万木康史氏のアナログ愛が特に凄いです。

マイオーディオライフ2020 拝見!とっておきのリスニングルーム

マイオーディオライフ2020 拝見!とっておきのリスニングルーム

https://www.cdjournal.com/Company/products/mook.php?mno=20200831

  • 著者:山本耕司
  • 定価:本体2,300円
  • 判型・頁数:B5・224頁
  • 発売年月:2020年8月

時折挟み込まれたエッセイが秀逸。ほとんどが写真で見せる・見るものが多い中、同書は「読む」ことにウエイトを置いています。
オーディオ=経済力という近視眼的な見方に疑問を呈しているのも等身大で好感が持てる一冊です。

音の見える部屋 オーディオと在る人

音の見える部屋 オーディオと在る人

https://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail.php?code=962790

  • 著者:田中伊佐資
  • 編者:stereo
  • 定価:2,970円
  • 判型・頁数:B5・280頁
  • 発行年月:2018年5月

オーディオ猛者達が並ぶ中、キソアコーステック・原亨氏の破天荒な生き様にはグイグイ引き込まれます。
ジェンセンのモノラル1本、SP盤が整然と並ぶ瀬谷氏、反対に床にも無造作に機材を置き拡張し続ける櫻井氏など、それぞれの性格や人となりが出ていて実に面白い一冊です。

ジャズと喫茶とオーディオ

ジャズと喫茶とオーディオ

https://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail.php?code=962920

  • 著者:田中伊佐資
  • 編者:stereo
  • 定価:2,200円
  • 判型・頁数:B5・152頁
  • 発行年月:2019年5月

まえがきにも書かれた「タイトルがなぜ『ジャズ喫茶のオーディオ』ではないのか?」という疑問は読み進めると、これは必然だなと思えてきます。
同書で筆者宅近くにも店があることを初めて知り衝撃を受けました。意外と皆さんの近くにもあるかも知れませんね。

いい音 いい場所 いいお店

いい音 いい場所 いいお店

https://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail_sp.php?code=962970

  • 編者:stereo
  • 定価:2,200円
  • 判型・頁数:B5・160頁
  • 発行年月:2019年10月

メーカー、プロショップ、修理工房、ジャズ喫茶まで、個人宅以外をジャンルレスに網羅。
掲載店は大阪の1店を除くと静岡・長野以東の関東圏のみ。
圧巻はやはり浜松・トゥルネラパージュ。逆に中野・ロンパーチッチのような小さなカフェで肩肘張らずリラックスして入れるお店も。

惜しむらくは文字が少し小さく、行・文字間隔もキツめで、やや読みにくい印象です。

大判 音の見える部屋 私のオーディオ人生譚

大判 音の見える部屋 私のオーディオ人生譚

https://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail_sp.php?code=963170

  • 著者:田中伊佐資
  • 編者:stereo
  • 定価:2,970円
  • 判型・頁数:A4変・224頁
  • 発行年月:2020年11月

27件の個人宅のみを収録。
中でもKRELL CD-DSPでジャズのCDしか聞かないという小栗好弘氏のこだわりぶりには思わず唸りました。
そしてティール CS7を鳴らすために様々な対策を行った21歳の最年少、関口雅仁氏には舌を巻きます。
高額な機材ユーザーが多いなか、LepyやFX AUDIOといった安価な機材を組み合わせる方も。

「まえがき」に同書を大判にした経緯が書かれていますが、個人的にはB5判の方が持ちやすく軽くて読みやすかったです😅

番外編

専門誌以外でオーディオ特集を組んだ雑誌も2誌紹介します。

Casa BRUTUS特別編集 音のいい部屋

Casa BRUTUS特別編集 音のいい部屋

https://casabrutus.com/culture/60033

  • 編者:マガジンハウス
  • 定価:1,650円
  • 頁数:146頁
  • 発行年月:2017年11月

シャレオツ雑誌のオーディオ特集と侮るなかれ、国内外の個人、ショップを問わず網羅したオーディオマニアでも唸るほどの情報量。そしてさすがとしか言いようがないデザインとレイアウトのセンスは、いわゆるオーディオ専門誌とは一線を画すものがあります。

何と言っても巻頭で紹介されている村上春樹氏の部屋、それだけで同書を手にする価値はあるでしょう。
村上春樹氏以外にも高橋盾(ファッションブランド UNDERCOVER デザイナー)、北村信彦(ファッションブランド ヒステリック・グラマー デザイナー)、平間至(写真家)、テイ・トウワ(DJ)などなど、業界関係者も多く掲載。
オーディオオタクではないけどオーディオ好き、音楽好きが気軽に音を聞くツールとして面白い組み合わせをしていたりもします。

村上春樹:代表作「ノルウェイの森」などで知られる作家・村上春樹氏は、その昔、ジャズ喫茶「ピーター・キャット」を営んでいたこともあり、オーディオやレコード好きでもあります。
最近は不定期で自身がパーソナリティを務めるラジオ番組「村上RADIO」で所有するレコードをかけたりしています。

SWITCH Vol.37 No.12 特集 いい音と暮らす QUALITY of SOUND LIFE

SWITCH Vol.37 No.12 特集 いい音と暮らす QUALITY of SOUND LIFE

https://www.switch-store.net/SHOP/SW3712.html

  • 編者:スイッチパブリッシング
  • 定価:1,100円
  • 頁数:160頁
  • 発行年月:2019年11月

こちらも巻頭で村上春樹氏の部屋が取り上げられています。
個人的にはStephens Tru-Sonic E3とMcIntosh C11、Western Electricのモノラルパワーアンプを組み合わせたDJ・田中知之氏(FPM)が非常に興味深かったです。
オーディオ部屋探訪としてのボリュームは全体の約1/4程度ですが、内容の濃さは十分あります。

まとめ

オーディオに人生をかけている人や軽く楽しむ人、それはもう本当に人それぞれで「なるほどな〜」と、ひとりごちていました。
多くの方に共通するのは、機材の売買・導入時にも様々な思い入れがあるということ。ここだけ焦点をあてて読んでみても実にドラマチックです。(かくいう筆者も本ブログで「僕のオーディオ機材変遷」として9つも記事を書いてしまいましたから😅)

もちろん、機材の組み合わせ例やセッティングのノウハウなども大いに参考になります。
こういった本で他者のシステムと人生を追体験するのも面白いですよ。

見つけた時に買うべし

オーディオムック本は元々の発行部数が少ないせいか、あっという間に在庫がなくなったり絶版になるケースが多いようです。
中には稀に電子書籍化されて再販するものもありますが、紙の本で欲しい方は見つけた時に買っておいた方が吉です。