本ページはアフィリエイトによる収益を得ています
久々のブログは初心に帰ってビギナーらしく(?)自作ケーブルを記事にしてみることにしました。
仕様と材料
仕様
今回製作するケーブルはCDプレーヤー→プリアンプ間のラインケーブルで、端子はCDP側がXLRメス、プリ側がRCAオスです。
ケーブルは赤い被覆が特徴的なBelden 88760、XLRプラグはNEUTRIK NC3FXX、RCAプラグはREAN NYS373を使用します。
XLRタイプコネクター:米キャノン社(Cannon社)が開発したXLR型オーディオコネクター及びその互換品を指す。一般にキャノンコネクターとも呼ばれる。(Wikipedia)
RCA端子:電気信号をやりとりする端子の一種である。映像・音響機器などに広く用いられており、据置型の民生用機器では特に断りがない限り、アナログの映像端子・音声端子はRCA端子であることが多い。この名称は、1930年代に電気蓄音機等向けにこのプラグの原形を開発した、アメリカの大手家電メーカーRCAに由来する。ピン端子、三色端子ピンプラグ・ピンジャックとも呼ぶ。(Wikipedia)
材料
- ケーブル×2本(Belden 88760)
- XLRプラグ×2個(NEUTRIK NC3FXX)
- RCAプラグ×2個(REAN NYS373)
※プラグはオス(Male)とメス(Female)があります。お使いの機器の端子形状をよく確認してから購入しましょう。
必要な工具
- ハンダごて
- ハンダ
- ニッパー
- カッターナイフ
- 耐熱マット
自作記事ではほぼ毎回書いてますが、ハンダごては多少高くても温度制御可能なタイプを断然おすすめします。
過去の記事にも書いたように、筆者は激安ハンダごてを購入して後悔して結局、白光FX600を買い直しました。
ハンダは経験上、KESTER 44がとても使いやすいと思いました。
音質にこだわりたい方はオヤイデの音響専用ハンダSS47-50も良いかと思います。(KESTER 44の方が断然溶けやすいですが)
あると便利なもの
- こて台
- ケーブルストリッパー
- フラックス
- テスターまたはケーブルチェッカー
- マルチクランプ
ケーブル完成後の導通チェックを行うためにテスターかケーブルチェッカーがあると便利です。
特にBEHRINGERのケーブルチェッカー、CT100はハンダ付けの際に端子を固定しておくクランプ代わりにも出来るので重宝しますよ。
ケーブルを任意の長さに切る
まずはケーブルを任意の長さにカットします。
ただし、Belden 88760は比較的硬い被覆で曲がりにくいため、完成品を機器に装着した際、予想以上に長さが必要になります。最低限必要な長さ+25〜30%程度の余裕を持ってカットした方がよいでしょう。
短すぎると用をなしませんが、多少長くても困ることはありませんしね。
ケーブルをブッシングに通す
早速被覆を剥きたくなるところですが、まずはケーブルをプラグのブッシングに通しておきます。
これを忘れてハンダ付けしてしまうと最初からやり直しになってしまうため、最初に必ずやっておきましょう。
また、ブッシングの方向も間違えないよう気をつけましょう。
※樹脂製のチャックはハンダ付け後でも取付可能です。
ケーブルの被覆を剥く
ケーブルの一番外側の被覆(ひふく、シースとも言う)を剥きます。 剥く長さは各プラグによって異なります。事前に仕様を確認しておきましょう。
今回使用したNC3FXXの場合を例に取ると、被覆は18mm、芯線は4mmの指定があります。これは同製品ページで提供されているPDFに記載されています。
仕様書がない場合はインサートのハンダ付け箇所とブッシングの長さを定規で計測して必要な長さを剥きます。実測して被覆を剥く際はブッシングからはみ出ない長さにするように気をつけましょう。
Belden 88760の被覆は比較的硬いため、カッターで一周に軽く切込みを入れた後、ラジオペンチや指でひねると簡単に剥けます。カッターで傷を付けて「割っていく」感覚です。
※中の芯線まで切らないよう注意しましょう。
芯線を剥く際はケーブルストリッパーがあると便利ですが、ない場合はカッターやニッパーでもOKです。
芯線を剥いた後はバラけないよう軽くツイストしておきます。
呼び(予備)ハンダをしておく
芯線やシールド線がバラけないようハンダを軽く流してやります。プラグ側もハンダ付けする箇所に軽くハンダを流しておきましょう。
これはハンダ付けをしやすくするための大事な工程で、呼び(予備)ハンダと言います。
プラグの呼びハンダ前にフラックスを塗ってやるとハンダのノリがよくなります。
ハンダ付けをする
呼びハンダを施したプラグと芯線をハンダごてで温めてハンダ付けします。
ハンダ量が足らない場合は糸ハンダを足してやりましょう。
極性
電池に+(プラス)と-(マイナス)があるように、プラグにも極性があります。
この場合はHOT(ホット)、COLD(コールド)、GND(グランド/アース。Groundの略)の3種類に分けられます。
RCAプラグは真ん中のピンがHOT、外側がCOLDです。
XLRプラグは1〜3の番号が振られていて、接続する機器に各々の指定があります。
今回はRCA端子側は
- HOTを赤
- COLDを黒とシールド線
XLR側はCDプレーヤーの説明書通り、
- 1番(GND)をシールド線
- 2番(HOT)を赤
- 3番(COLD)を黒
で結線しました。
XLR端子の結線はほとんどが2番HOTで問題ありませんが、ビンテージ機材等では3番HOTの場合もごく稀にありますので、念の為に説明書や仕様書を確認しておくのが良いでしょうね。
「グランド(アース)ループの要因になるためシールド線は結線しない」など、RCAケーブルでシールド線を結線するか否かは様々な意見がありますが、機器の接続方法や大元の電源のアースのとり方によって答えが変わってきます。
筆者はとりあえずシールド線も結線して様子を見てから判断しています。
彩竜堂ブログのRCAケーブルの結線方法についてでは5つの結線方法を例に取り、次のように書かれています。
システムによってはアースループが生じてノイズが増えるという点にあるのですが、逆に「アースループさえ生じなければ、総合的に最も優れた配線方法」と判断しました。
ちなみにケーブルの方向性については全く考えていません。
高級ケーブルは方向がわざわざ印字されていることもありますが、Belden 88760にはそのような指定は一切ありません。
ケーブルチェッカーはハンダ付けの際も便利
ハンダ付けの際はマルチクランプやBEHRINGERのケーブルチェッカー、CT100でプラグを固定しておくとしやすいですよ。 CT100を強くオススメする理由は、万一、熱を加え過ぎた場合でもこれにプラグを挿したままハンダ付けしていると端子周りの樹脂が溶けて変形してしまうのを防ぐメリットもあるからです。
導通チェックをする
チャックを付けてハウジングを締めた後、ケーブルテスターやテスターで導通をチェックします。
BEHRINGER CT100はHOTもCOLDも導通が一目瞭然です。
完成!
導通チェックに問題なければ完成です!
気になる費用は?
今回の費用は以下の通りです。(XLR - RCA 1mペアとした場合)
※全てサウンドハウスで購入。価格は本記事執筆時点のものです。
品名 | 個数 | 単価 |
---|---|---|
Belden 88760 | 2 | 580 |
NEUTRIK NC3FXX | 2 | 330 |
REAN NYS373-9 White | 1 | 308 |
REAN NYS373-2 RED | 1 | 275 |
1mペアで¥2,403(税込)でした。
ちなみに同じ仕様でプロケーブルでオーダーすると¥3,700です。
最初は筆者自身も自作ケーブルはハードルが高いものと思い込んでいましたが、やってみると意外と簡単で驚いたのをよく覚えています。
市販品を買うよりコストはかなり抑えられますし、様々なケーブルを試すことも出来ます。
興味のある方は是非試してみてください。