SUNVALLEYの真空管フォノイコライザーアンプキット「SV-EQ1616D」製作レビュー(その3)

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SUNVALLEYから発売された真空管フォノイコライザーアンプキット「SV-EQ1616D」製作レポート その3です。

SV-EQ1616D、無事に生還!

無事に生還したSV-EQ1616D

SV-EQ1616Dの組み立てを完成したものの、ヒーター電圧がゼロでメーカーへ修理依頼して前回を終えていました。
4月上旬に修理へ出し、5月中旬に戻ってきましたので続きを書いてみます。

コロナ禍の真っ最中に対応していただいたメーカーのご担当者さまには本当に頭が下がります。お手数をおかけしました。。。

トラブルの原因は4つ

修理報告書

修理報告書によるとトラブルの原因は4つありました。

  • リレー初期不良
  • 真空管不良
  • 抵抗のハンダ付け不良
  • 基板のスルーホール断線

リレーの初期不良はどうしようもないにしても、真空管不良には驚きました。
他社で購入した新品の真空管(JJ ECC803S)でしたが、「ゲインが乖離している」とのことでした。
プリ管は出力管のように厳密なマッチドは不要と思い込んでいたので勉強になりました。これについてはVINTAGE SOUNDに以下のように書いてあります。

同じ真空管であっても、パワー管はバラつきが少なく、プリ管のバラつきが大きいのはなぜでしょうか。<中略>パワー管は電気的特性が揃ったものを選別して販売しているのに対して、プリ管は選別しないで十把ひとからげ的に販売しているからです。

ハンダ付け不良とスルーホール断線は完全に自分の責任ですね。。。💦

詳細なデータシート付き

データシート

生還したSV-EQ1616Dには詳細なデータシートが付けられていました。
ありがたいやら申し訳ないやら😓

修理代金は1万円

修理代金

これだけ詳細な報告書とデータシートを添付して頂いて修理代金は1万円。。。
3万円以上は覚悟していたのでまたもや驚きでした。

修理に出す前に

SUNVALLEYの冊子には修理に出されたもののほとんどがハンダ不良であると書かれています。
前述の通り、筆者もご多分に漏れずハンダ不良が1箇所ありました。
十分チェックした上で修理に出しましたが、やはりもっと落ち着いてチェックすべきだったと反省しています。

とは言え、真空管アンプキットは5台製作しましたが、今回のように中途半端に電圧が出ないケースは初めてでしたし、色々なケースがあるものだと、とても勉強になりました。

SV-EQ1616Dの難易度はやや高い

5台の真空管アンプキットを製作した経験からするとSV-EQ1616Dの難易度はやや高いように思いました。
初めてのキット製作はエレキットのTU-8100、ハンダ付けの経験が多少あるならSUNVALLEYのSV-S1616Dあたりが良いと思います。

レビュー

真空管と整流管を換装

真空管を換装したSV-EQ1616D

修理から生還したSV-EQ1616Dに改めて火入れ、の前に真空管をGold Lion ECC83×2とECC82へ交換、ついでに整流管もPSVANE WE274Bに換装しました。
ちなみにGold Lionは以前アメリカのVIVATUBES.COMで入手済みのマッチドです。(日本国内で入手するよりは安いですが、コロナ禍の現在は物流の遅れが懸念されますので購入を検討している方は注意したほうが良いと思います)

ヴォイシングチャート

SUNVALLEYのSV-EQ1616D使いこなしガイドによると下記の組み合わせによる松セットが最もウォームなのでこれに近いですね。(Mullard CV4003は高すぎて買えません)

SUNVALLEYの松セット

  • Gold Lion ECC83/12AX7  ×2
  • Mullard CV4003/M8136(12AU7) ×1
  • PSVANE WE274B ×1
  • ASC X335 2.2uF[2個] ×1

筆者の組み合わせ

  • Gold Lion ECC83/12AX7  ×2
  • Gold Lion ECC82/12AU7 ×1
  • PSVANE WE274B ×1
  • ASC X335 2.2uF[2個] ×1

V3はGold Lion ECC82で満足

松セットのMullard CV4003は¥14,000/本もするのでおいそれとは買えませんでしたが、その半額以下のGold Lion ECC82で十分すぎるくらい満足です。
筆者はヴィンテージMcIntoshの持つ骨太でややウォーム傾向が好きなので、ほぼ狙い通りの音が出ています。

とりあえず整流管をPSVANE WE274Bにするのが吉

特にPSVANE WE274Bがいい仕事をしてくれてます。
ダイオードだとスッキリはするんですが安っぽいと言うか平ぺったく感じます。とりあえずここだけ変えてみるのも悪くないと思います。

ちなみに試聴システムは以下の通りです。

  • スピーカー:Stephens Trusonic 206 AX(オリジナル米松キャビネット)
  • プリアンプ:McIntosh C26
  • パワーアンプ:McIntosh MC30×2台
  • ターンテーブル:Thorens TD520 (SME 3012R + Denon DL-102 / SME 3009 + Denon DL-110)
  • フォノイコライザー:SUNVALLEY SV-EQ1616D

筆者ももっと音についてあれこれ書きたい欲求はあるものの、語彙力や表現力が乏しいのが悔やまれます😂
プロの評論家によるレビューは雑誌「STEREO(2020年5月号)」P.124に福田雅光氏が寄稿していますのでそちらを読んで頂いたほうが断然よろしいかと思います。

STEREO(2020年5月号)
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価格:¥990

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