ポーランドのECサイトで真空管アンプ用コンデンサを買ってみた

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ブラックフライデーも終わり、いよいよ年末モードになってきましたね。
筆者は食料品と生活必需品を買い込んだ程度でオーディオ関連は特になし…ではあまりにも面白くないので、ずっと気になっていたポーランドのECサイトで真空管アンプ用のコンデンサを買ってみました。

MIFLEXのコンデンサを選んだ理由

真空管アンプ用コンデンサと言っても、全てのコンデンサを購入する訳ではありません。最も音に影響を与える「カップリングコンデンサ」と「デカップリングコンデンサ」と呼ばれるパーツを換装して音質のアップグレードを目指します。
この2つの役割はElectrical Informationの『カップリングコンデンサ』と『デカップリングコンデンサ』の違いと特徴!が非常にわかりやすかったです。

コンデンサは非常に多くのメーカーが製造しており、それぞれに特徴があります。
全てを試すことなど到底出来るわけでもないのですが、オランダのカスタムスピーカーショップ「Humble Homemade Hifi」が、何と120種類ものコンデンサを聴き比べ、それぞれに点数を付けたリストを公開していました。

コンデンサ比較リスト

この中でもスウェーデンのDUELUND(ドゥールン)、ドイツのMUNDORF(ムンドルフ)がダントツで有名ですが、やはりお値段もかなりのもの。

しかし、前述のリストをよく見ると「MIFLEX(ミフレックス)」という聞き慣れないメーカーがMUNDORFより高得点を獲得しています。これは気になって仕方がありません。検索してみると、意外と手頃な値段じゃありませんか!という訳でずっと頭の片隅で考えつつ、どうしようかと悩んで早1年半。ようやく買ってみることにしました。

カップリングコンデンサ:カップリングコンデンサは、電子回路において、目的の交流信号を通過させ、不要な直流成分を遮断するために使用される。この不要な直流信号は、電子機器や電子回路の前段から発生します。オーディオシステムでは、直流成分がノイズとなって目的の信号の品質に影響を与えます。また、パワーアンプの性能に影響を与え、歪みを増加させます。回路では、信号経路と直列にカップリングコンデンサを接続する。カップリングコンデンサは、デジタル回路だけでなく、アナログ回路にも使用される。オーディオや高周波システムに多く使われています。(Passive Components Blogを抄訳)

TMEを選んだ理由

MIFLEXはポーランドのメーカーで、欧米、中国と韓国に代理店があります。(中国の代理店はリンク切れ)英国のHiFi Collectiveは何度か利用したことがありますが、どうせなら同じポーランドのTMEで注文してみることにしました。

TME

TMEはTransfer Multisort Elektronikの略で、家族経営から出発して今や150カ国以上の国々と取引するまでに成長しています。

Transfer Multisort Elektronik社は、1990年にウッチ市(ポーランド)で設立された家族経営の会社です。当初はサービスと小規模生産を目的とする電子部品を提供する小さな店から始まりました。(イプロスものづくり

TMEはマルチリンガル対応で、ポーランド語はもちろん英語が苦手な方でも特に問題なく使えると思います。(自分の住所等、多少の英語入力は必要です)
ちなみに同社はオーディオ関連製品としてコイル、ポテンショメータ、抵抗、クロスオーバー、スピーカーなども取り扱っています。
ポリプロピレンコンデンサはMIFLEXの他、スイスのLECLANCHE(ルクランシェ)、台湾のjb Capasitors、ドイツのVISATON(ビサトン)などがありました。

なお、TMEで販売されているMIFLEXのコンデンサはロット(出荷最小単位)があり、1個だけでは購入出来ませんので注意が必要です。 その代わり大量購入すると割引されます。また、決済はPayPal非対応で実質クレジットカードのみです。

3種10個のコンデンサを購入

SUNVALLEY SV-S1616D(300B仕様)と同SV-P1616D(多極管仕様)用に0.1μFを2個、0.22μFを6個、0.47μFを2個、計3種10個のカップリング/デカップリングコンデンサを購入しました。
価格は以下の通りです。(価格は商品購入時点のものです。筆者が購入後に約10〜15%程度値上げされました)

TMEで購入したコンデンサの価格(価格は購入時点のもの)
品名 単価(ドル) 個数
KPCU01-0.10U/600 17.13 2
KPCU01-0.22U/600 19.45 6
KPCU01-0.47U/600 27.78 2
送料 15.9 -
注文確認書

合計222.42ドルで25,908円(2021年11月29日クレジットカード決済・1ドル/116円換算)でした。

ちなみに購入後にアメリカの代理店でもあるSONIC CRAFTでセール(2021年12月16日まで)が始まりTMEよりも安くなっていました😭
購入を検討している方は複数のショップの価格と送料(👈これ大事)を比較してからにすると良いでしょう。特に11〜12月はブラックフライデーやサイバーマンデー、ボクシングデーなどでセールが始まることが多いので狙い目です。
※ただしクリスマスシーズンは流通が増大して到着まで時間がかかったり、荷物が紛失する可能性も高くなります。

ついでに筆者が購入した3種類のコンデンサを、TMEHiFi CollectiveSONIC CRAFTの3店で価格比較してみました。(価格は本記事執筆時点のものです。TMEは値上げ後の価格、SONIC CRAFTは通常価格とセール価格を併記しています)

3店におけるコンデンサの価格比較(価格は本記事執筆時点のもの)
品名 TME HiFi Collective SONIC CRAFT
KPCU01-0.10U/600 20.56 18.77 22.12
14.82
KPCU01-0.22U/600 23.42 21.91 25.83
17.31
KPCU01-0.47U/600 33.48 33.97 40.08
26.85

HiFi Collectiveは数回利用した経験上、やや送料が高い印象です。3店の中では最もオーディオ関連パーツが豊富です。
SONIC CRAFTはよくセールを行うのでマメにチェックしてみると良いでしょう。ただし休業が多いため注意が必要です。

ポーランドからわずか5日で届いた!


購入したものの、届くまでどれくらいかかるかが気になるところ。クリスマス時期も重なることだし、到着は1ヶ月程度覚悟していたのですが…。

配達予定日

FedEx荷物追跡の到着見積もり日は何と購入からわずか5日後の12月2日となっていました。いや、さすがにそれはないだろうと高をくくっていたら…。

配達完了

(時間が少しずれているのはタイムゾーンを「現地スキャン時」にしているため)

TMEから届いた荷物

本当に届きやがったッッッッッ!!!!!
海外の買い物で5日間で到着したのは最短記録ですよ。

開梱

商品は20×20×6cm程度のダンボールに入っていました。
ダンボールに多少破れがあるものの、緩衝材も入れられており取り扱いは十分丁寧だと思いました。もっとも、割れるものでもないので心配はしていませんでしたが。

種類毎にパッキングされたコンデンサ

種類毎にパッキングされています。

コンデンサの大きさ比較

10円玉と大きさ比較。
大きいことは知っていましたが、0.47μFは本当に巨大です。これは入らないかも知れない…。

まとめ

というわけで、ポーランドのTMEからは問題なく商品が届きました。
出荷スピードも早く、梱包も丁寧。大量に購入する場合は割引されるのも買い手としては嬉しいポイントです。
ちなみに本日は筆者の誕生日。結果的に少し早い自分への誕生日プレゼントとなりました。

購入したMIFLEXのコンデンサは近日中に換装して改めてレビュー記事を書こうと思います。

追記:関税請求書が届いた

関税請求書

2021年12月17日にFedExから関税請求書が届きました。
金額は¥2,200。内訳は税金が¥1,200と関税その他税金についての特別取扱手数料が¥1,000。

関税の計算は海外小売価格×60%が課税価格です。

  • 課税価格(ドル):$206.52(送料別)×60%=$123.91
  • 課税価格(円)$123.91×¥114.3/ドル(当時のレート)=¥14,162

今回の場合、税金は

  • 消費税:¥14,162×7.8%=¥1,092(端数処理して¥1,000)
  • 地方消費税:¥1,000×22÷22=¥282(端数処理して¥200)
  • 小計:¥1,200

そして「関税その他税金についての特別取扱手数料」と書かれたよくわからないものはFedExが建て替えた関税や税金の手数料です。(詳しくは関税・消費税特別手数料とは何ですか?を参照)
これが小計¥1,000。

よって合計¥2,200となりました。
関税の計算方法は関税、消費税等の税額計算方法輸入時にかかる関税について教えてください(前編)関税の基礎知識 | 関税の計算方法とは? 関税の種類とは? 日本の関税率は何によって決まっているのか?が分かりやすいです。

TMEは大量購入すると割引価格になりますが、税関で商用輸入とみなされた場合は課税対象に保険料や送料も含まれてしまうので注意が必要です。