橋本トランス HM-7でMCトランスを自作してみた(制作編)

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橋本トランス HM-7でMCトランスを自作してみた(準備編)の続きです。
なお、これらはなるべく工具を買わず、既に筆者の手元にあるもので完成させることを第一としています。 そのため、多少迂遠な方法であったり、そもそもおかしい場合もあることに注意してください。
※表示価格は本記事執筆時点のものです。

手順は以下のようにしました。

  1. ケースとトランスの養生
  2. 穴あけ用図面の作成・出力
  3. 穴あけ用図面をケースに糊付け
  4. ケースにセンターポンチでマーキング
  5. ケースにドリルで3mmの下穴を開ける
  6. 下穴をドリルで少しずつ広げる(穴のズレを防ぐため)
  7. インパクトドライバーにステップドリルをセットして穴を更に拡大
  8. パーツが入るかを確認しながらテーパーリーマーで穴の大きさを微調整
  9. バリ取り工具と棒ヤスリで穴をきれいにする
  10. ロータリースイッチ以外のパーツを固定
  11. 電磁波シールド用銅箔テープをケース内部に貼る
  12. はんだ付け
  13. 養生テープを剥がす
  14. 完成

今回使用した工具は以下の通りです。
アルミダイキャストはドリルで穴開け出来ますが、10mm以上の大きな穴はステップドリルとインパクトドライバーが必須です。
今回はトランスがΦ29、レセプタクルがΦ23.6と大きめの穴開けが多く、かなり疲れました。可能であればボール盤で穴開けした方が良いかも知れません。

ステップドリル:ステップドリルは、回転しながら、物に穴を開ける工具のうち、外形が円錐形の工具です。六角軸HSSスパイラルステップドリルは、1本で複数のサイズの穴をあけることができます。穴あけと同時にバリ取りと面取りを加工できることも特徴です。モノタロウ
ボール盤:ボール盤とは、加工対象物に対して、主に穴あけ加工を行うときに使用する工作機械です。旋盤やフライス盤でも穴あけ加工は可能ですが、ボール盤は、より穴あけに特化した機械。になります。MONOWEB
  • マルチツール
  • ドリル
  • ステップドリル(ドリルの下穴を広げるためのもの)
  • センターポンチ(穴開け時にドリルが滑らないようマーキングするためのもの)
  • テーパーリーマー(穴を広げて微調整するためのもの)
  • バリ取り工具(穴あけ加工した際に出来る突起を取り除くためのもの)
  • 棒ヤスリ
  • ドライバー
  • 養生テープ
  • スティックのり

マルチツールはブラックアンドデッカーのEVO185E1が一台5役にもなり、コスパが非常に優れていてオススメです。

  • ハンダごて
  • ハンダ
  • コテ台
  • ニッパー
  • ラジオペンチ
  • ケーブルストリッパー(配線材の被覆を剥くためのもの)
  • 耐熱・絶縁マット

ハンダごては温度制御できるタイプが絶対いいです。

コテ台はクリーニングワイヤがセットになったタイプだと、クリーニング時にこて先温度低下が小さく、こて先にも優しいですよ。

主な作業ポイントのみをかいつまんで記します。

ケースとトランスに養生テープを貼る

養生テープを使ってケースとトランスを養生します。
これはキズやへこみが付かないようにするための措置ですが、穴あけの際に飛び散った鉄粉などの付着を防ぐ意味もあります。
ケースに養生テープを貼ることで、穴あけ用図面を糊付けしやすく出来る利点もあります。

前回、パーツ配置をシミュレートする際に使ったAutodesk Fusion 360でも出来るのでしょうが、筆者は慣れたAdobe Illustratorを使って穴あけ用図面を作ります。
Hammondが公開している1590XBKの2D CADデータ(DWG)をイラレで開き、不要なオブジェクトや寸法を削除して、完成したのが以下の図です。

1590XBK穴あけ用図面

これをプリンターで原寸大で出力してカット後、養生テープで覆ったケースにスティックのりで糊付けします。

ドリルで3mmの下穴を開ける

穴開け箇所をセンターポンチでマーキングした後、ドリルで3mmの下穴を開けます。(ドリルビットを交換するのが面倒なので、全ての穴を3mmで開けてしまいます)
その後、穴がズレないようにドリルビットを1mmずつ大きくしながら、穴を拡大して行きます。

ステップドリルで穴を更に拡大

10mm以上の穴はドリルでは開けにくいため、インパクトドライバーにステップドリルを装着して穴を大きくします。
インパクトドライバーは振動や反動が大きく、油断するとすぐに穴がズレてしまうので注意しながら進めます。できればケースをバイス(万力)で作業台に固定するなどした方が良いです。

インパクトドライバーで目的のサイズまで一気に開けようとはせず、少し小さいかな?くらいでとどめて、テーパーリーマーで微調整します。開けた穴にパーツが入ることを確認出来たらバリ取り工具と棒ヤスリで仕上げます。

ノガ・ウォーターズ(Noga Waters)
電磁波シールド用銅箔テープを貼る

穴あけ後、ロータリースイッチ以外のパーツを固定してケース内部に電磁波シールド用銅箔テープを貼ります。この手のアイテムは貼り過ぎると音が痩せたり死んだりすることが多いので、大きな面積の場所のみ貼りました。
※ロータリースイッチを固定しない理由は、はんだ付けが困難になるからです。
※電磁波シールド用銅箔テープは貼らなくても問題ありません。

はんだ付け

ロータリースイッチを優先してはんだ付けしていきます。
ロータリースイッチのはんだ付けが全て終了したらケースに固定し、その他のはんだ付けを済ませます。

ワイヤーの整形

余力があればワイヤリングを整頓すると良いですね。
筆者は適当ですが(汗)

ワイヤーの整形後

配線はさほど難しくありませんが、はんだ付け後は必ず確認しましょう。
筆者はトランス〜レセプタクル間のアース線を付け忘れたまま音出し確認したため、音が出ずに焦りました。

MCトランスの完成

養生テープを剥がして完成です!
ブラックのケースに真鍮プレートとシャンパンゴールドのツマミが良いアクセントになりました。
真鍮プレートには予め同じサイズで作っておいたエーワンの透明シールを貼ることで、程よく艶が消えてツマミとの色合わせも良くなりました。

反省点としては

  • プレート位置が少し高い(ケース内部の固定にナットが干渉してしまうため上げざるを得なかった)
  • 橋本電気のロゴがほとんど見えない(ツマミの奥行きをキチンと考慮していなかった)
  • ワイヤリングが下手(こればっかりは場数をこなすしかなさそう)

などが挙げられます。
いずれ飽きて気が向いたらバラして別のケースで組み直すことにしようと思います。
こういうことが出来るのも自作の醍醐味ですよね。

本記事を読んで「よし、自分もMCトランス作っちゃうぞ‼」となる方はそう多くはないと思います(笑)が、コストを抑えて自分好みのデザインに仕上げることが出来るのは自作の最大のメリットと言えます。
その分、手間はかかりますが、完成した際の満足度は何ものにも代えがたいほど大きなものです。
チャレンジしてみる価値は十分あると思いますよ。